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小泉八雲さん

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    松江には、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲さんの足跡があちこちにあります。

    今に残る写真を見ても上品なジェントルマンという感じですね。


    ハーンさんは、1850年にアイルランド人の父とギリシア人の母との間に生まれますが
    幼少時に両親が離婚したり亡くなったりで、アイルランドの大叔母の元で大きくなります。
    アイルランドには昔、旅したことがあるのですが、
    街を一歩出ると夜は暗いし人は少ないしケルトの遺跡は謎めいているし、
    波は荒く岸壁を削り森は深く荒涼として、いかにも妖精が出そうなところでした。

    そこで妖精譚などもたくさん聴いて育っただろうハーンさんは
    日本の怪談にも惹かれたのでしょう。

    「赤貧」というような時代もあり、世界中を旅したハーンさんは
    アメリカの新聞社の特派員として訪れた松江で、士族の娘・セツさんと結婚し、
    40歳で「家族」を持ちます。

    小泉夫妻の間にいるのはご長男。
    半ベソです。

    三男一女に恵まれます。みんな可愛いですね〜。

    長男は物書きに、次男は英語教師に、三男は画家に、長女は体が弱いながらも
    40歳まで生き・・とそれぞれの人生。

    小泉夫妻をお互いを「パパさん」「ママさん」と呼び、
    ハーンさんの話す日本語は「ブロークン・ジャパニーズ」ながらも
    とても味のある言葉だったようです。

    「怪談」ではなくて、エッセイの一節です。

    「あの小さい虫、よき音して、鳴いてくれました。
     私なんぼ喜びました。
     しかし、だんだん寒くなってきました。
     知っていますか、知っていませんか。
     すぐに死なねばならぬということを。」


    日本語として正しいわけではなくても
    心にしみる言葉を書く方だったのだと思います。

    松江を離れたハーンさんは、後に早稲田大学、東京大学で数年ずつ教鞭をとっています。

    前回、「出雲」のことを
    「力強くパワフルで荒々しく逞しい」という感じを土地から受ける、と書きました。
    どちらかと言えば男性的な印象。

    「松江」は、出雲から電車で40分ほどしか離れていないのに
    全く逆の
    「瑞々しく上品で古風で穏やか」というような感じ、
    どちらかと言えば女性的な印象を受ける街でした。

    松江城の回りには昔からのお堀がそのまま残り、小舟に乗って
    「堀川めぐり」というのが出来ます。

    お堀端には昔ながらの風景が。



    石垣もそのままです。
    私の故郷である静岡県・浜松市は軍需工場がたくさんあったため、戦争で焼け野原になり
    浜松城もかなり原型とは違っています。
    軍需工場が無かったら、松江みたいに古き良き風景がもっと残っていたかも。


    松江城です。五層で黒壁の美しい城。


    今回の旅で「現代の小泉八雲さんたち」に会いました。

    二泊三日の旅だったのですが、一泊目の「大橋館」の
    若旦那さん・ジェームズ
    さんはハワイ出身の方でした。

    雨の中、タクシーに乗り込む私たちの折りたたみ傘を
    ビニール袋に入れてくれました。
    このビニール袋、とても重宝しました!
    ビショビショの折りたたみ傘を持ってタクシーに乗ると
    タクシーの床を濡らしてしまうのが心苦しかったので・・

    「日本人以上に細やかに気がつく方だね〜」と言いながら
    夕刻、二泊目の宿へ。
    「星野リゾート 界 出雲」の駐車場で
    土砂降りの中、傘をさして待っていてくれたのは
    これもまた、外国人の男性!

    丁寧にお出迎えをしてくださり、宿の説明をしながら
    部屋まで案内してくれました。

    雑誌「LEON」にも出られそうな細身のイタリア人青年・マシさん。
    所作が物凄く折り目正しい彼と、部屋で少しお話。

    みんなに聞かれるであろう質問を岡本ホメオパスが発します。

    「なにが日本に興味を持つきっかけだったんですか?
     アニメですか、マンガですか??」

    ええ〜〜〜っ?! その二択?!

    茶道も書道も柔道も剣道も禅も日本画なんかもすっとばしてソレ?!

    爆笑をこらえる私に、マシさんは
    「サムライです」とお答え。

    上杉謙信のストイックな生き方に惹かれたのだそうです。

    まあ確かに日本のアニメやマンガのパワーはヨーロッパに行くと
    強く感じますが。
    (パリのど真ん中、サンジェルマン・デ・プレの大型書店のひとつのフロアが全部日本のマンガだったりして
     目が点になりました)

    マシさんはローマ大学で日本語を学んでからの来日だったそうですが
    それにしても4年半でこれほどしゃべれるとはスゴイね〜、という上手さでした。

    松江は昔も今も、日本人より日本を愛する異国の人々をひきつける街なのかも知れないな、と
    思った旅でした。

     
    posted by: philiaito | 旅行 | 13:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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