愛しの「暮しの手帖」

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    朝ドラ「とと姉ちゃん」の影響・・というわけではなく

    「暮しの手帖」ファンです。

     

    「暮しの手帖」社が出している本や

    とと姉ちゃんのモデルの大橋鎮子さんのファンなんです。

    (松浦弥太郎さんも好きです)

     

    ファン歴は長く、小学校5年生くらいのときに

    親の買ってもらったこの本がきっかけです。カバーは黄ばんでいます。

    本屋に親と一緒に行ったときに、親が

    「好きな本、一冊選んでいいよ〜」というので選んだのです。

    が、そのときには「物語の本かな〜」と勘違いして選んだと思います。

    読んでみて「あれ〜?思ってたのと違った」と思いガッカリ。

     

    小学校5年のときには「良さ」がわからなかったのですが

    中学生くらいからだんだんと沁みてきました。

     

    この本は、「暮しの手帖」の中の「すてきなあなたに」という

    コーナーの本当に短いエッセイの中から選りすぐりをまとめている本です。

     

    エッセイは

    「料理・洗濯・掃除・手芸などのコツや工夫」

    「オシャレのこと」

    「日常で出会ったちょっと良い話」

    「日本や海外に旅行に行ったときの話」

    「家族のこと」

    「映画」「音楽」「美術」などなどで

    テーマは多岐にわたります。

    私ははじめ、すべて大橋鎮子さん一人が書いていると思っていたので

    「なんて幅広いことが出来て知識の多い人だろう〜 外国に住んだり、大家族が居たり

     介護していたり、有名人のお友達がたくさん居たり、若い友人も多かったり・・いろいろスゴイ」と思っていました。

     

    あとで大橋鎮子さんと6〜7人の編集者やお友達など

    何人もで書いていると知りましたが。

    テレビで出てくる妹さん二人も執筆者に入っていると思います。

     

    私の母親は、優しくて可愛らしい人ではあったのですが

    「家事能力全般がビミョー」という人でした(^^)

     

    料理はまあまあなんですが、掃除も洗濯も整理整頓もあまりうまくない。

    本人も得意ではないので「こういうふうにすると良いのよ〜」的な

    知恵の伝授もほとんどなかったのです。

     

    「すてきなあなたに」は、そんな私にとって、

    「料理や掃除や洗濯や整理整頓すべて上手で、そのコツを優しく教えてくれて

     かつ、語学も出来て外国にもサラッと一人旅に行ったりして

     センスも良くて、美術・音楽・歴史などにも詳しい素敵なおばさま」バーチャルですが)

    みたいな存在でした。

     

    実際、この本から教えてもらった「生活に役に立つ知識」は数知れず、です。

     

    今は、私の「リラックス本コーナー」に揃っていて

    寝る前にたまに読んだりしています。

    3巻のカバーにある茶色い染みは、紅茶をひっくり返して飛び散ったあとです(笑)

     

    そんな風にずっと好きだった大橋さんの役なので

    どんな女優さんがやるのかな〜と思っていましたが

    可愛い方で良かった(^^)

    まあ、ちょっと幼い感じもしますが・・がんばっていらっしゃる!

     

    そして、重要な役どころ・花森安治(はなもりやすじ)さんを演じる

    唐沢さんも良いですね!

    前から絵は大好きでしたが

    先日、「花森安治伝」を読んでお人柄がますます好きになりました。

    ドラマの中では、高畑充希さん演じる「とと姉ちゃん」が、

    「一緒に雑誌を作ってください!」と懇願するのですが

    なかなか首を縦にふりません。

    さんざんゴネて、ひと悶着あってから「わかった」となるのですが

    実際の花森さんは違いました。

     

    当時、花森さんは

    既に「天才・異才」とうわさされていた30代。

    「彼と組めば、絶対売れる雑誌が出来る」と言われていたようです。

     

    そんな彼に、ちょっと雑誌社で働いた経験があるだけの

    25歳くらいのほんの小娘だった大橋さんが

    「女性を幸せにする雑誌を一緒に作ってください!」とお願いしに行きました。

     

    すると、花森さんは

    「戦争で、君たち女の人はひどい目にあった。

     戦争を始めたのは男で、女の人たちはなんの罪もないのに本当にひどい目にあった。

     悪かったのは僕たち男だ。僕たちの責任だ。

     だから、女性を幸せにする雑誌を作りたい、という君に、僕は協力する」

    と言って、快諾してくれたそうです。

     

    ほ、惚れるわあ!

     

    実際の花森さんは、唐沢さんのようなイケメンではなく

    彼を描写したどの文章にも「カニのような顔」

    「カニの甲羅のようないかつい顔」

    「一度見たら忘れない独特のいかつい風貌」

    などと描写されており、実際の写真を拝見しても

    確かに・・というようなお顔立ちですが

    でも、この一言で惚れる・・と思いました。

     

    当時には珍しく本当の意味で女性を尊重している人だったんだろうと思います。

    日常的にナチュラルにスカートをはいていたりしたのも実話。

     

    「暮しの手帖」の表紙も挿絵も、ずっと花森さんが描いていましたし

    「すてきなあなたに」の中の挿絵も、全部、彼のものです。

     

    昔から好きだった人や本なので、ドラマをきっかけにもっとたくさんの人の目に触れて

    新しいファンがたくさん出来たら良いなあ。と思っています。

     

    雑誌も、売れないと経営が厳しくなってしまいますからね!

    「暮しの手帖」はすべての号が「保存版」みたいな雑誌なので

    買いだすと置く場所に困るかも知れませんが・・。

     

    毎号毎号、表紙の裏に必ず載っている、大橋鎮子とと姉ちゃんの書いた言葉も良いです。

    ぜひ一度、本屋さんで手にとってみてくださいね。

    posted by: philiaito | 好きなんです! | 11:18 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |